2011年12月16日

クチグロキヌタ

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クチグロキヌタ
Cypraea onyx
ケープタカラガイ亜科 ナツメダカラ属
一般的なサイズ:35〜42mm
分布:房総半島以南
レア度:★★★

●お腹が真っ黒な、やや大きめのタカラガイ。落ちているとすごく目立つものの、一日歩いても見つからないのが普通。砂泥地の岩礁を好むそうで、確かに泥っぽい場所に上がっていることが多いです。ハツユキダカラと同様で、単に僕がそういう場所にあまり行ってないだけなのかも。
●他のタカラガイをたくさん拾うような磯の間の砂浜でも、たまに見つかることはありますが、割れちゃってるのが多い。真っ黒くて艶も残ってるかけらを見ると悲しい。
●学名のonixはオニキス=メノウのこと。メノウといえば、白い縞になったものが三浦半島の西海岸でも時々拾えますが、これは黒いメノウに例えたものだそうです。
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そこそこきれいなもの。手前の個体では左右から白い滑層が出ています。暖かい海ではこれがもっと広がって青白くなるそうです。南関東ではそこまではなかなか育たないみたい。
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クチグロキヌタは殻の質が弱いのか、割れるまでいかなくても、すぐガスガスになってしまいます。
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幼貝と未成貝。クチグロキヌタは幼貝の時から色が濃くて、淡色の2本の帯が目立つので他の種類とは区別できます。一番右のはもう外唇ができてるのでこれ以上は大きくならないはずですが、たった13.6mmしかありません。大きい方のサイズは比較的安定してるのですが、こんな風に時々異常に小さいのがあります。

似ているもの:
ありません。しいていえば、南紀あたりまで行くと拾えるタルダカラというのが同様にお腹が真っ黒になりますが、これはずっと大きくて細長くなります。まだ三浦房総では見つかってないと思います。
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2011年12月15日

アジロダカラ

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アジロダカラ
Palmadusta ziczac
ケープタカラガイ亜科 カミスジダカラ属
一般的なサイズ:15〜20mm
分布:房総半島以南
レア度:★★★★

●特徴的な模様で、ひと目でわかるタカラガイのひとつ。自然のものにいちいち理由を求めるのは見当違いなのかもしれないけど、なんで、どうやってこういう模様を作ってるのか不思議です。
●アジロは「網代」。板や竹などを組んだ模様を網代模様と呼びます。伊豆半島の熱海の南に網代という町がありますが、もともと簀立てなどで使った漁法や、その漁場を指した漁業用語だそうです。現在ではそれほど使われる言葉ではないのでイメージしにくいでしょうね。学名のziczac(ジグザグ)のほうがわかりやすい。僕はこれで初めて、「ジグザグ」が外来語だってことを知りました。
●きれいに模様が残ったものはめったに拾えません。カノコダカラほどじゃないけど、ウキダカラよりはずっと少ない(ただウキダカラはすり減ってもそれなりに模様が残る分、多く拾えるってことはある)。僕自身も拾い始めた頃から憧れの貝でしたが、穴あきながらも模様がちゃんとあるのを拾ったのは貝拾い10回目くらいのこと。それ以後もあんまりアジロには恵まれてないので、とりあえずこれが拾えれば他になんにもなくても大漁。これくらいになると、南房総でたくさん拾ってる地元の人にも「おお、やったねえ」ってほめてもらえます。ちなみに三浦半島ではまだ一つも拾ってません。
●お腹側は明るい茶色に細かい茶褐色の斑点が散らばっていて目立ちます。見つけると祈りながらひっくり返すんですが、たいていアジロ模様なんかほとんどすり減って消えてます。カミスジダカラと同様で、この属のタカラガイは表面の模様の層が薄いのかな。
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なんとか模様が残ってるもの。ジグザグのパターンは太かったり細かったり、鋭角だったりいろいろ。幅が広い方がかっこいい。
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もう少し前に出会いたかった残念なやつら。すり減ると背中はほとんど白くなっちゃいますが、お腹の色合いは薄くなっても残ります。
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全面的にスレてしまっていても、横を見るとわずかに模様が残っているものがあります。一応拾って帰るけどくやしい。
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螺塔の回りには茶色の点列があります。よく似たカバホシダカラとの区別点の一つですが、背中の模様が消えてるものはたいていここの点列も消えちゃってますね。

似ているもの:模様さえ残っていれば間違えようがないんですが、すり減ったものだとカバホシダカラと迷います。ただしカバホシダカラのほうが、すり減っても全体的に色が濃いようです。
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2011年12月14日

コモンダカラ

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コモンダカラ
Erosaria erosa
コモンダカラ亜科 コモンダカラ属
一般的なサイズ:25〜35mm
分布:房総半島以南
レア度:★★

●薄茶色の地色に細かい模様を散らした中型のタカラガイ。オミナエシダカラと似たパターンですが、こっちのほうが凝った感じ。裏側の色合いもただ白いんじゃなく象牙色っぽくなっていて、なんというか高級感とか重厚感があります。それほど珍しくはありませんが、波打ち際などできれいなのを拾えると結構うれしい。
●殻の側面左右には、たいてい焦げ茶色の大きな斑点があります。個体によっては両側にあったり、内唇側だけだったり、まったくなかったりしますが、外唇側(殻の軸側じゃない方)だけにあるのはまだ見たことがありません。僕は最初、この黒い紋を「紋付き」という意味で小紋宝という名が付いたのかと思ってましたが違うようです。普通に和服の小紋のイメージかららしい。
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比較的きれいなもの。見比べると微妙に個体ごとに模様が違ってるのがまた楽しい。成長したものは個体の大きさには関係なく腹側がめくれ上がるように広がって、その部分に茶色い筋が浮き出てきます。個体によっては、同時に腹側の歯の部分も筋状に着色されます。
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打ち上げですり減ったのはこんな感じ。たまに濃い紫色になるのもありますが、オミナエシダカラほど紫色のものを拾う確率は高くありません。かなり摩耗した貝殻で、黒い紋がないものでも、腹側の色合いが象牙色っぽいことでハツユキダカラやオミナエシダカラとは見分けがつきます。
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外唇ができたばかりの未成貝。一番右のはもう歯が着色されてますが、成貝になっても着色されないもののほうが多いです。
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幼貝や未成貝では、螺塔の部分の色が薄く目立たないのが特徴。これだけでよく似たハツユキダカラ(黒い)オミナエシダカラ(もう少し色が濃い)と区別できます。ただ正直言うとオミナエシの幼貝とは結構微妙だったりする。
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左は22mm、右は42mm。コモンダカラは南紀や沖縄方面など南の海に行くともっとたくさんいますが、暖かい海ではかなり小さいまま成体になってるのを多く見かけます(大きいのはもちろん普通にいる)。チャイロキヌタやナシジダカラなんかでも同様の感じなんだけど、理由がいまいちわからない。環境がいいから小さい個体のままでも生きていけるのか、それとも暖かいから時期外れに産卵したものが、短い期間になんとか親まで成長したのか。
僕が以前コピーさせてもらった房総半島の記録では、最小が20.2mm、最大が46.6mmでした。最近は館山の国民休暇村でどんどんデータが更新されているようなので、もっと記録破りのサイズが出てるかも。

似ているもの:本文で書いたとおりハツユキダカラとオミナエシダカラです。
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2011年12月13日

貝拾いに行こう! その4 〜準備・持ち物など〜

大した準備がいらないというのが貝拾いのいいところですが、一応用意しておきたいものはあります。
まずは足ごしらえ。波打ち際を夢中になって探していると、思わぬ波が来て足もとがずぶ濡れになるものなので、できれば長靴を。ただ、普通の長靴は岩の上ではかえって滑りやすいので、暖かい時期なら積極的に水の中で遊ぶつもりで、マリンシューズとかマリンブーツといわれるものを持っていくのがいいでしょう。足先やくるぶしの出たサンダルっぽいのは、磯を歩くときに岩や貝殻で足を切ったりする不安があります。
気合入れて探すなら磯釣り用のブーツなんかもいいんですが、フェルト底のものは案外あっさり靴底自体がはがれちゃうことが多いです(安物買ってるからだと思う)。もし買うならゴム底にスパイク付きのものがいいかも。

貝拾いは浜辺に座り込んで探すことも多いし、海岸は風が強いので、いくら暖かい三浦半島や南房総といっても冬は防寒具を多めに。手袋も使う人は使うのかな。僕は小さい貝を拾うのにやりにくいからあんまり使わない。
春から夏は逆に熱中症が心配なので、帽子と飲み物を忘れずに。
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それと、拾った貝を入れる袋。別にコンビニ袋だっていいんですが、なんかいまいちかっこ悪いのと、いつのまにか破れてせっかくの収穫が海に帰ったりするので、100円ショップなどで売ってるA4やB5のジッパー付きビニール袋か、厚手の冷凍用のビニール袋がおすすめです。上の写真のようなデータを書き込むスペースがあるものだと、とりあえず細かく整理する前の保存用にも便利です。複数の海岸を回るときは別々に入れておきたいので、たくさん用意しておきましょう。
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これは猫缶などが複数まとめて売られている網袋に針金で口を作ったもの。潮だまりでじゃぶじゃぶやれば貝にくっついた砂が洗い落とせるので便利なんですが、微小貝を拾うようになってからはあまり使わなくなってます。ツマムラサキとかクロシオとかも網目から落ちちゃいそう。普通のサイズのタカラガイとかを入れるにはいいかも。こないだ近所のキャスティング(釣具店)に行ったら、カニ網のエサ袋として、ほとんど同じもの(ただし色は赤)が1枚31円で売ってました。

また、サクラガイやチヨノハナガイ、ナデシコなどといった薄くて壊れやすい貝を入れるのに備えて、小さなタッパーがあると便利。そんなもの用意してなかった頃の僕は、せっかく拾ったアオイガイをうっかり車の中で粉々にしてしまって泣きました。気をつけましょう。

このほか、人によっては打ち上げ帯の海藻や流木をどけたり、貝だまりをほじくり返すための専用の棒やスコップを持ち歩いてる人もいますが、そこらに落ちてる木ぎれとか竹とかを使えば十分。僕は潮だまりの中の貝を拾うのに、一時は金属製の火ばさみなんかも持ち歩いたけど、どうも客観的に見た目いまいちなのでやめてしまいました。

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2011年11月27日

カノコダカラ

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カノコダカラ
Cribrarula cribraria cribraria
ケープダカラ亜科 カノコダカラ属
一般的なサイズ:18〜22mm
分布:房総半島以南
レア度:★★★★★

●明るい茶色の背中に丸い水玉模様が散らばっている可愛い貝。南紀など暖かい海へ行けば、少なくとも打ち上げで拾うことはそう難しくありませんが、北限である三浦房総ではなかなか見つかりません。僕も今まで南房総で拾ったのはたった3つ。三浦半島で拾うのはちょっと奇跡に近いかも。
●少ないだけでなく、見つかりにくい理由の一つは、打ち上げではせっかくの模様がすぐに摩耗して消えてしまうこと。そうなると全体真っ白になっちゃうんですね。打ち上げ貝の多い場所で、岩の回りをほじくってみると模様の残ったのが見つけられるかも。
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最初の写真に出したのを含めて、今まで拾ったまともなものはこの2つだけ。大きい方は初めて南房総へ貝拾いに出かけたときの収穫です。このときはウミナシジダカラとかヤクシマダカラとかキムスメダカラとか今考えるとすごいのをたくさん拾っていて、やっぱりビギナーズラックってあると思う。
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仕方がないのでこれは南紀で拾った参考品。さすがに暖かいところだとサイズも大きいのがあります。打ち上げではこんな風に、消しゴムで消していくように模様が消えてしまいます。
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先週、南房総で久々に拾った3つめ。ほとんど真っ白。横にほんの少し残っていた彩色と、お腹側の歯の形(刻みが弱く、軸側の底面にはほとんど歯が出ない)からカノコダカラということは確定できましたが、だからってうれしいのかというとやや疑問が。もうちょっと前に出会いたかった。

似ているもの:少しでも模様が残っていれば見間違えることはありません。真っ白になったものはなんだろうと迷いますが、カノコほど全部真っ白になるのはほかのタカラガイでは見あたりません。しいていえばチャイロキヌタがたまにそうなるけど、サイズが違うし。
posted by Yasuhisa Ueda at 20:32| Comment(0) | 三浦・房総の貝殻図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする